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普通に腐表現です、注意してください。「簡単じゃねぇか」
目の前にはハクがいた。
照明を落とした真っ白な部屋。
そこに、俺とアイツが向き合って立っていた。
夢ではよくあることだ。
わけのわからない状況に置かれること。
そのわけのわからない状況を、夢の中の自分は把握していること。
そして、ここは夢だと自覚している自分もその中にいること。
「お前は選べばいいだけだ。 俺か、世界か」
まるで、諭すような口ぶりでハクは続ける。
「俺がいることで、お前は世界を操れるほどの力を手にいれることが出来る。
代わりに、お前はお前の世界を失う。
・・・それが俺には絶えられない」
目の前のアイツは、見たこともないくらい辛そうに笑っていた。
世界を操る?俺の世界?
ハクが何を言っているのか、俺にはわからない。
「ようやく、お前に心が許せる奴が出来たんだ。
俺はそれを壊したくない」
けれど、夢の中の俺は、何故だかとても悲しかった。
「さぁ、俺を消せよ、一護」
腕を広げて笑うその姿を見て、涙が出そうだった。
夢の中の世界にとって、俺たちは危険。
夢の中の俺は、コイツに消えて欲しくない。
世界の危機か、俺の我が儘か。
「俺は―――・・・」
* * *
カーテンからもれる光が眩しい。
「・・・変な夢」
結局、夢の中の俺の言葉を聞くことは出来なかった。
「初夢からこんなんかよ・・・」
思わずため息がでる。
今日は1月1日の昼。
昨日夜更かししたせいか、はたまたあの夢のせいか、随分と起きるのが遅くなってしまった。
遊子が怒るかなぁ、と思って起き上がる。
「大丈夫か?」
「うぉっ!?」
部屋にアイツがいた。
「び、びっくりさせんなよ」
「・・・こっちのセリフだ」
呆れかえった白い俺の姿は、夢の中のアイツと似ても似つかない。
「ま、その様子だと大丈夫そうだな」
「大丈夫って・・・」
言葉の途中に指を指され、頬に触れる。
「あ・・・」
気づかないうちに、泣いていた。
高校生にもなって夢で泣くなんて、恥ずかしすぎる。
「しかも、初夢で・・・」
がっくり肩を落とす。
「勘違いしてるようだが、初夢は1日から2日にかけて見る夢だぜ?」
「そうなのか!?」
なぜコイツがそんなこと知ってるかは別として、驚きと初夢があれではない安心感とでいっぱいだった。
「それか、今日は眠れなくしてやってもいいけどな」
「は?」
「もう怖い夢でも見れないように・・・ 姫初めっていうのか?」
にやにや笑うハクの顔を殴りとばしたくなった。
「ふざけんな、誰が―――ンっ!?」
いつの間にか零距離まで近づかれ、唇に何かが触れていた。
こっちは生身で、あっちは霊体。
本気になられると、俺は受け身になるしかない。
だけど・・・
(今日だけは、それでいいかも・・・)
くだらない羞恥心は捨てて、アイツに身を委ねることにした。
そう考えてしまうあたり、
夢の中の俺と俺の出す答えは、同じものなのかもしれない。
願わくば、あの夢が正夢になりませんように。
遅れましたが、正月ネタです。
切なめの腐要素あり。
私の大好物であります(^q^)←
この夢の詳細が、年内に書けるようになるのが目標です。
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